0806 今月の健康

今月の健康

kenkou0805_1.jpg今月の健康:準備はOK?紫外線対策
太陽の下で楽しく健康に過ごすために。紫外線には、骨の形成に必要なビタミンD3を作る働きがあり、長い間「日光に当たると丈夫になる」といわれてきました。
しかし、ビタミンD3は、特に栄養状態が悪くなければ食事で十分に補うことができます。
気になるのは、紫外線は目には見えませんが、肌にさまざまな影響を及ぼすということです。
しみ・しわといった美容面のほか、免疫力を低下させたり、白内障を引き起こすなど健康面にも影響があります。
年齢や性別にかかわらず、今からしっかりと紫外線対策を行ないましょう。

春は紫外線の量が増える季節。対策をして出かけましょう。
■「目」の対策:サングラスで目をガード
紫外線は白内障の発症リスクを高めることがわかっています。紫外線防止効果のはっきり示されたメガネやサングラスをかけて、目を守りましょう。これにより約90%の紫外線を防ぐことができます。
レンズサイズが小さすぎず、顔にフィットしたものがよいでしょう。

■「肌」の対策:見える部分には日焼け止め
衣類で覆うことができない顔などには、日焼け止めを使いましょう。顔や体には、空からの直射日光だけではなく、地面からの照り返しや、空気中で散乱する紫外線も当たっています。日焼け止めには、こうした紫外線から肌を守る効果が期待できます。
自分の肌や目的に合った日焼け止めを選んで使うようにしましょう。
(→日焼け止めの選び方・塗り方は↓へ)

■「服」で対策:帽子や洋服でも対策を
つばの広い帽子や日傘は太陽光線を遮り、肌を守ってくれます。洋服は、生地のしっかりしたもの、長袖や襟付きのシャツなど、体を覆う面積が多いものを着ましょう。色は白より黒のほうが紫外線を通しにくいとされます。
日焼け止めクリームなどと併用し、肌を無防備に紫外線にさらさないようにしましょう。

■「知」って対策:紫外線のこと、正しく知ろう
紫外線(UV)は太陽光の中で強いエネルギーを持つ光で、波長の長さによって、UV-A、UV-B、UV-Cに分けられ、UV-AとUV-Bの一部がオゾン層を通過し、地上に届きます。紫外線対策は真夏のものと思われがちですが、紫外線の量は3月ごろから増え始め6~7月がピークとなるため、これからの季節の対策が特に大切です。

■「食」べて対策:季節の野菜を食べよう
しみのもとになるのは、紫外線が当たると活発に作られるメラニン色素です。ビタミンCには、このメラニン色素の生成を抑える働きがあるため、しみ予防に効果的といわれます。ビタミンCは野菜や果物に多く含まれています。
栄養価の高い旬のものを積極的に食べて、ビタミンCが不足しないようにしましょう。

日に焼ける前のUVカット ―日焼け止めを使おう―
■日焼け止めの選び方
お店に行くと、たくさんの日焼け止めが売られていて、どれを買えばよいのか迷ってしまう…そんな時は、下の表を参考にしてください。日焼け止めに表示されているSPFやPAの数値を確かめて、場所や目的によって使い分けるとよいでしょう。日に当たると肌が赤くなるなど、日焼けをしやすい人は紫外線防止効果が高めのものを選びましょう。
<PA・SPFとは?>
●PA(+~+++)
UV-Aを防ぐ効果の強さを示す値。+の数が多いほど、肌の黒化を防ぐ効果が高くなります。
●SPF(10~50+)
UV-Bを防ぐ効果を示す値。数値が高いほど、赤くなる日焼けを防ぐ時間が長くなります。
<シーンに合わせて選ぼう>
SPF0 PA+ ~ SPF20 PA+ …… 日常生活(散歩・買い物)
SPF10 PA+ ~ SPF30 PA++ …… 屋外での軽いスポーツ、レジャー等
SPF30 PA++ ~ SPF50 PA+++ …… 炎天下でのレジャー、リゾート地でのマリンスポーツ等
SPF50+ PA+++ …… 非常に紫外線の強い場所や紫外線に過敏な人等

【日焼け止めの違い】
紫外線から肌を守る成分には、紫外線を吸収して肌に届かないようにする「吸収剤」と、紫外線を反射して肌に届かないようにする「散乱剤」の2種類があります。散乱剤のみを配合した商品は「ノンケミカル処方」といい、肌への刺激がより少ないとされています。


■効果を発揮できる使い方をしよう
白浮きしたり、ムラにならないよう、正しい使い方をマスターしましょう。
<顔>
(1)適量を守る……量が少ないと効果を十分に発揮できません。適量のめやすは、クリーム状ならパール粒2つ分、液状なら1円硬貨2枚分です。
(2)むらなく伸ばす……(1)の量を2回に分けて塗ります。1粒(1枚)分ずつ、額、鼻の上、両頬、顎に日焼け止めをつけ、指でていねいに全体に伸ばします。
(3)こまめに塗り直す……汗などで肌がぬれたら、タオルなどでおさえるようにして水分を拭き取り、上から重ねづけします。2、3時間ごとに塗り直しましょう。
<体>
容器から直接、直線を描くように出し、手のひらでらせんを描くようにむらなく伸ばしましょう。
首筋、首、耳のうしろ、肩、手足の甲なども忘れずに塗るようにしましょう。

【子供の頃からの習慣にしましょう】
子どもは新陳代謝が活発なので、日に当たって肌の色が黒くなっても早く元に戻ります。しかし、紫外線によるダメージは皮膚の奥で蓄積され、将来の肌に影響を及ぼします。紫外線量が増えている今、男の子でも女の子でも、紫外線対策は必須事項。小さい頃から、日焼け止めを塗るなどして肌を守る習慣をつけられるよう、周りの大人が指導しましょう。

日に焼ける前のUVカット ―複数の対策で体を守ろう―
■髪や頭皮も日焼けします
肌と同様に、髪も日焼けします。紫外線によって、髪の色が抜けたり、キューティクルに傷がついてパサついたりすることがあります。帽子や日傘、紫外線防止効果のあるヘアケア剤などを利用しましょう。日本で昔から使われているツバキ油にも、紫外線を遮る効果があります。

■水着の上にはTシャツを
外で遊ぶ日は、日焼け止めが取れやすく、頻繁に塗り直すのが難しいこともあります。特に海辺などは日差しが強く、水面で紫外線が反射するので、日焼け止め以外の対策もしておくほうが安心です。水の中でTシャツを着たり、上がったら長袖を羽織るなどして、肌を守りましょう。

焼けたと思ったらアフターケア
■水や氷で冷やしましょう
日焼けをして肌がヒリヒリするのは、やけどと同じで炎症を起こしているためです。流水や、冷蔵庫で冷やしたぬれタオルなどで患部をおさえ、30分以上冷やし続けましょう。鎮静作用のあるカーマインローションなどを用いるのもよいでしょう。強い痛みがある時は、早めに皮膚科を受診しましょう。

■体の中からも紫外線対策
良質のたんぱく質とビタミンをきちんと取ることが、肌の抵抗力を高めます。普段の食事の栄養バランスに気をつけ、これらの栄養素が不足しないようにしましょう。
<ビタミンC>
細胞の酸化や色素沈着を防ぎ、しみ予防の効果が期待できます。水に溶けやすく熱に弱いので、生で食べる果物などが効率的です。
●ビタミンCが多く含まれる食品
抹茶・いちご・赤ピーマン・青じそ・かんきつ類・キウイフルーツ
<ビタミンE>
血行を良くして新陳代謝を促す作用があるほか、メラニンの排出を助けたり、活性酸素の発生を抑えるともいわれ、肌にとって大切な栄養素です。ビタミンCと一緒に取るとよいでしょう。
●ビタミンEが多く含まれる食品
アーモンド・ピーナッツ・ごま・アボガド・紅花油・オリーブオイル・のり

知っていましたか?紫外線の健康影響
今症状が現れなくても、安心できないのが紫外線です。紫外線は肌だけではなく、目など、身体にさまざまな悪影響を及ぼします。紫外線が原因で起こりうる症状についても、知っておきましょう。
■紫外線が引き起こす症状
<急性>
日焼け(サンバーン・サンタン)・雪目(紫外線角膜炎)・免疫低下(単純ヘルペス)・日光(光線)過敏症
<慢性>
光老化(しわ・しみ)・良性腫瘍/前がん症/皮膚がん・白内障/翼状片

●白内障・翼状片
白内障は、眼の中でカメラのレンズの役割を担う水晶体が白く濁るため、フィルムの役割を担う網膜まで光が届かなくなり、視力の低下を引き起こす病気です。翼状片は、眼球結膜(白目)が角膜(黒目)に翼状に侵入する病気で、視力障害をきたします。農業・漁業従事者など戸外での活動時間が長い人に多く発症することが知られています。
●皮膚がん
皮膚にできるため、比較的発見しやすいがんといえます。目につきにくい背中や足の裏などをはじめ、月に一度は全身をチェックしましょう。ほくろやしみだと思っていたものが少しずつ大きくなったり、表面がざらざらするなどの変化を見つけたら、早めに皮膚科を受診しましょう。
●日光過敏症
光線過敏症、日光アレルギーとも呼ばれ、太陽光を浴びることでかゆみを伴う湿疹ができるのが特徴です。日光にさらされて数分でじんま疹が現れる「日光じんま疹」、薬や化粧品などを使ったあと、日光に当たると皮膚に変色を生じる「化学物質による光線過敏」などがあります。日光に過敏な体質の方は、特に紫外線対策をしっかり行ってください。

※紫外線は体にさまざまな影響を及ぼす恐れがありますが、適切な対策を行い、必要以上に浴びないようにすれば、決して恐ろしいものではありません。紫外線についてわからないことがありましたら、医師や薬剤師にご相談ください。




<参考文献>
『紫外線保健指導マニュアル2006』(環境省環境保健部環境安全課)
『栄養を知る事典』(日本文芸社)
『きょうの健康2004年5月号 紫外線による肌のトラブル 予防と対策』(日本放送出版協会)
『五訂増補食品成分表』(女子栄養大学出版部)